第60回卒業証書授与式
・3月6日(火)荒れ模様の天候の中、第60回卒業証書授与式が行われました。音楽祭の各クラスの合唱をBGMに、呼名の返事も大きく、卒業証書が校長先生より卒業生一人一人に渡されました。校長先生に「ありがとうございました」とお礼を言う卒業生も多く、会場がさわやかな雰囲気に包まれました。学校長式辞、校歌斉唱、教育委員会告示、来賓祝辞、祝電披露と続き、新生徒会副会長女子による送辞後、「旅立ちの日に」の全校合唱。全校生徒800人の歌声が響き渡りました。この曲は中学校ではよく歌われる曲ですが、今年はTVのCMでSMAPも歌っていますね。感動を呼ぶ歌で、ここで涙する生徒もたくさんいました。生徒会長の答辞のあと、いよいよ卒業合唱、「大地讃頌」です。「母なるー大地のーふーとーころにー」とすごい迫力の歌声が体育館中に響き渡り、300人のハーモニーが来賓、保護者の方々、在校生、職員を魅了しました。終わって思わず拍手をしてしまうほどのとても心に響く合唱でした。教室で最後の学活ののち、在校生、職員、保護者の方に見送られて卒業生300人は吉田中学校を巣立っていきました。
校長先生の式辞を紹介します。
ただいま卒業証書を授与された三百名の皆さん。卒業おめでとう。
また、ご多用の中、中野助役様、赤川副議長様、星野教育委員様、渡辺同窓会長様行田PTA会長様を始め、多数のご来賓ならびに保護者の皆様方のご臨席を賜り、学校を代表して、心より感謝申し上げます。
さて、卒業生の皆さん。新潟県には公立の中学校が二百四十力校ありますが、全校の生徒数が皆さんの学年と同じが、あるいは少ない学校が、約百四十力校あります。
それらの学校と比べれば、吉田中学校は学校の中に三つ分の中学校があると表現してよい大きさです。
もちろん、数だけが全てではありませんが、八百人を超える生徒の気持ちが集中したときの工ネネギーは、かなりの困難でも乗り越えて前進する勢いがあり、『学ぶ吉中』・『鍛える吉中』・『心の吉中』を目指す吉田中学校の大切な財産です。
そんなたくさんの先輩や仲間や後輩と共に過ごしてきた三年間の一人一人の努力と成長の証が、いま手にしている卒業証書です。
手に感じる重さは軽くても、その卒業証書の一枚一枚には、縁あって指導者となった私たち吉田中学校の全ての職員の期待と小さな頃から見守ってくださった地域の皆様の祝福と、共に過ごした六百人の後輩たちの感謝と、全力を傾けて育ててくださった家族の喜びが込められているのです。
名実共に吉田中学校生徒としての最後の日となる三月三十一日に、もう一度卒業証書を手に取り、書かれている一文字一文字に込められた気持ちに心を馳せ、翌日から始まる新しい世界への決意と準備をしてください。
皆さんを前にしてお話をする場としては最後になりますが、『吉中基上新展』(基礎を固めてさらに向上)のスローガンのもと、学年活動はもとより、生徒会活動や学
校行事のリーダーとして、八百人という大集団をまとめた三大行事やイエローリボンキャンペーン、勉強との両立を工夫しながら打ち込んできた部活動での県内外や全国を舞台にした大活躍など、、吉田中学校の歴史に残る数多くの大輪の花を咲かせてくれた三年生の一層の活躍を期待し、「はなむけ」の言葉を贈ります。
『さくらは、根の先端から幹や枝の隅々に至る全身で、あの美しいさくら色を生み出しているのです。桜の木は、それを花びらの-枚-枚を通して私たちに見せてくれるのです。』
これは、日本の染め物の世界を代表する-人である志村ふくみさんの言葉です。
志村さんが優れた芸術家として認められた仕事に、天然のさくらから取り出した材料を使って染め上げた美しいさくら色の着物があります。
志村さんは、さらに続けます。
『私たち日本人は、さくらが大好きです。しかし、咲き誇る花の美しさに目を奪われ葉を落とし、冬の寒さに耐えながら、新しい春を迎えるために、全身で美しいさくら色を生み出そうとしてきた根や幹や枝のひたむきな命の営みに気づく人は少ないのです。』
六十年の歴史と伝統を誇る吉田中学校の卒業生として、それぞれの進路へと巣立っていく皆さん。まもなく日本列島を春の桜前線が通過していきます。そして、これから何十回もの春の景色とさくらの花を眺めることでしょう。
どんな景色の中にいても、常に周囲の人たちへの温かい眼差しと正義感を失わず、志村さんのように物事の本質を見通す目をもった大人となることを目指して、夢多き未来に向かって羽ばたいてください。