九谷焼は、今からおよそ340年前、現在の石川県山中町の山あい、草深い九谷の里で生まれました。そして信統は脈々と受け継がれ、昭和50年には国の伝統的工芸品産業に、翌51年は石川県無形文化財に指定されて今日に至っています。九谷焼の豊かな色彩、美しさはこの加賀の地が発祥であることに大きく影響をうけているのではないでしょうか。
 加賀友禅、金沢金箔、加賀蒔絵など多くの美しい伝統工芸品があり、独自の文化、美意識が根付いた加賀だからこそ芸術的な九谷焼が生まれたのです。
 再興九谷焼の中でも九谷焼を世界的な規模で名を高めたのは、江戸時代末期に現れた九谷庄三でした。極彩色の華麗で緻密な「彩色金欄手」と呼ばれる技法を確立し、明治になると海外にも輸出され、その派手さが外人の好むところとなって「ジャパンクタニ」の名で人気を呼びました。

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