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 食卓塩
 旧専売公社、後日本たばこ産業株式会社、現公益財団法人 塩事業センターの食卓塩は塩では無く、一種の薬品で、純粋な塩化ナトリームです。
 味わうと、塩辛味が強く、その強さは身の毛が立つような強さです。
 食卓塩は、塩としての役目を間違えて作られたのではないでしょうか。
 塩辛さだけが塩だとする考えは、お料理に幅と奥いきを失ったものと考えます。
 こんな物では、支那料理を作っても、朝鮮料理を作っても、我が日本料理を作っても不味くて食えた物では有りません。
 謙信が信玄に塩を贈った、生きていくに最も必要な塩、真っ白いものが高級なものと言う趣味の悪さ、薬品に頼って良いのでしょうか。
 食卓塩は、水に溶けない炭酸マグネシウム、炭酸カルシュームが入っていて、汁が濁るので、お吸い物にはむきません。


 海鼠酢

 海鼠は腹を裂いて腸をとる。
 腸を取った海鼠に塩をふりかけザルをかぶせ、前後に動かして塩揉みして、ぬめりを取る。
 水洗いして塩を流した海鼠を茶ぶりする。
 焼き物で言われる海鼠釉のごとし、海鼠は色を綺麗に仕上げる事と臭みをとる意味で茶ぶりをします。
 指を入れて熱いと思う程度の番茶に一分ほどつけて、ふり洗いし、冷水で洗う。
 
 保存する時は1%の酢水につけ、食べる時には小口に切り、柚子、紅葉おろし、胡瓜などを添い、ポン酢醤油で頂く。


 吸い物の出し汁

 日本料理には味噌汁と並んで吸い物と言う汁物があります。
 先ず、最初にお店に行きましたら、お料理を注文する前に吸い物を頂けばそのお店の程度が判断できます。
 出汁と醤油や塩で味を調え、決まりは”椀種”つま”吸い口”で仕上げます。
 ”椀種”は魚介類や肉湯葉豆腐など多種、”つま”は色彩鮮やかな三つ葉、小松菜、葱や独活なと多種、”吸い口”には香りを出すもの、木の芽や七味唐辛子、山葵、柚子など多種。

 そこで一番気を使うのは出し汁です、昆布臭くては駄目、鰹節臭くては駄目なのです。
 使用する出し汁は所謂一番出汁を使います。

 お鍋に2リットルの水をいれ、ガスコンロを全開にして4分、指を入れると風呂の温度、少し熱いかな?と言う43度の少し上の50度で昆布60グラムを入れます。
 鍋の材質、厚み、火力でも異なり正確な時間は言えませんが昆布を入れてから6分程で昆布の表面、鍋の内面に水泡がブクブクと浮いてきます。
 沸騰する寸前、95度の頃合いで昆布を揚げ、即水を少量鍋に入れ沸騰を止め、火も落とします。
 この瞬間の捉え方が遅いと出し汁は”くどく”昆布臭くなります。
 薄く、長く、紙の様に削った削り節40グラムを既に用意し、沸騰をしずめた昆布出汁が75度から80度くらいの頃合いに入れます。
 しかしあまり温度を下げ過ぎると、鰹臭くなるおそれがあります。
 鰹節が鍋の底に沈んでいき、沸騰が始まろうとしている湯の勢いに押し上げられる前に”あく”を丁寧にとります。
 ”あく”をとってる間に、ぐぐっと沸き上がりますから火を止めます。
 
 後は別鍋に鰹節を濾します。

 二番出汁は、一番出汁の鰹と昆布を水から入れ沸騰しましたら終わりです。
 二番出汁は味噌汁や煮物用と思っております。

 吸い物の出し汁は目を離す事なく、真剣勝負と思って居りますが、お蕎麦やうどんの出し汁はここまで考えていません。(笑)


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