» 2014 » 10月のブログ記事

 味噌汁の出し汁

 最高の昆布と最高の鰹節を使えば、最良の出し汁をとる事が出来るのは当然の事です。
 しかし、最高の昆布といい、鰹節といい、かなりお値段がはります。
 そこで鰹節に代わるものとして鯖節や、鰯の煮干し等を使います。
 味も風味も、勿論鰹節に劣りますが、上手に調理する事で美味しい出し汁をとる事は可能です。

 花鰹といい、機械で削った削り節が販売されて居りますが、機械鉋の刃の損傷を考え、鰹節を蒸して柔らかくさせたり、花鰹用に乾燥させない柔らかい鰹節を作るなど、色々あるようです。
 もちろん、そんな花鰹が美味い訳有りません、上質の本枯れ節でも削って時間が経過しますと味は落ちます。
 スーパーなどの店頭に並んだ花鰹は言うに及ばない事は明らかです。
 花鰹を使うなら、むしろ煮干しの方が美味しい出し汁がとれます。
 煮干しとは、魚を煮沸して天日で干し、貯蔵に適する状態にしたものの総称です。
 ただし、脂肪の多い魚の煮干しは、油焼けと言う悪い現象もあります。
 水揚げしたての魚を煮干しにしたものは、色も美しく、形も壊れておりません。
 色も形も良い物を選ぶのが、美味しい煮干し出し汁をとる極意と言えましょう。


箱寿司

 箱寿司は関西特有のものと思っていますが、家庭でも押し箱が一つ有ればすぐに出来ますから、是非作って下さい。
 鯖、小鯛、鯵などを使い、昆布を使うのは日持ちよくしようと言う目的であって、これも箱寿司がなれ寿司であった頃の名残と言われています。
 しかし、箱寿司は以上の魚だけで作るものでは無く、焼いた卵、ちりめん、海苔だけでも作れますし、刺身の切り端や蛤、浅蜊などでも立派な箱寿司を作る事が出来ます。
 穴子や鰻の付焼きも箱寿司の好ましい材料です。
 こうした応用範囲の広さはお惣菜としては最高ですし、いかにも関西人の経済観念に脱帽します。
 寿司飯を押し箱に半分入れ、もみ海苔をふり込み、さらに寿司飯を入れ、その上に材料を並べ、押し出せば終わりと言う簡単な物です。
 ただ、技術を要する事と言えば、切り方です、寿司飯を強く押しておけば楽に切れますが、それでは食べ難いです。
 よく切れる包丁を濡れ布巾でしめらせ、向こう側から手前へ切り下げるような気で切ります。
 多くの方はこの時、押し切りをされると思いますが、前後に動かすようにして切って下さい。


【煮椎茸】
料理:坂西美津雄
材料:干し椎茸、砂糖、醤油、味醂、椎茸を戻す水

干し椎茸は一日水で戻す。
戻した椎茸は傘の根本から茎を切り、茎の石付きは取り除く。
鍋に椎茸の傘と茎をいれ戻し汁で丁寧にアクを取りながら1時間煮る。
戻し汁が途中無く成るようなら足す。
甘味を見ながら砂糖を加え、醤油も加える。
15~20分煮込み、最後に味醂を椎茸全体に当たるように回しかける。

タップリの水で干し椎茸を1日水で戻す。

戻した椎茸は傘の根本から茎を取り、茎の石付きは取り除く。

鍋に椎茸と茎を入れ戻し汁で一時間丁寧にアクを取りながら煮る。
一時間煮たら砂糖、醤油を入れ、さらに15~20分煮込む。
仕上げに、味醂を椎茸全体に当たるように回しかける。


 胡瓜の古漬けと検索したら驚いた!チンプンカンプンなレシピが氾濫していた。
 何で手間をかけて漬けるのか?それは昔旬(時季)にしか収穫できない夏野菜だから年中食べれる方法を考えた昔の人の知恵だ。

【胡瓜の古漬け】
料理;坂西美津雄
材料:漬ける胡瓜の量に応じて

 漬ける分量の胡瓜を1kとする。
 1kの胡瓜に対して、20%の塩を一本ずつ塩摺りをして漬け樽に並べ残った塩を乗せ、カップ2/1の水を振入れる。
  漬ける分量の倍の重石をして4日ほどすると水が上がってくる。
 漬けた胡瓜を笊に上げ水だけを銅鍋で沸騰させる、冷めたら元へ戻して、胡瓜を漬ける。
 4日程したら繰り返す。
  更に4日ほどしたら、漬け汁を銅鍋に沸騰させて、その中に胡瓜を潜らせる。
 更に4日程したら繰り返す。
 それを4回ほど繰り返す。

 真冬に塩抜きをして食べたり、味噌漬けにしたり色々。
 腐りやすい胡瓜を年中たべる、昔の人の知恵です。


カレンダー

2014年10月
« 9月   11月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031