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 剣客商売十五【二十番斬り】

 小兵衛隠宅の物置を、二人の侍が蹴破ろうとしている。
 中には、かつての門人、井関助太郎と四・五歳ばかりの男女。
 二人をかくまう小兵衛に、次々と襲い掛かる刺客達。
 さらに、田沼意次の息子で三冬の兄、意知の暗殺。
 秋山親子を助けてきた者達が一致団結し、江戸の町を駆け巡る。
 そして小兵衛は、二十人もの強者が待ち受けるあの場所へ……。

 おはるが小兵衛の身をあんじて作る嵐の前の静かな昼餉。

 秋山大治郎は、日暮れに関谷村へ立ち寄るからと、小兵衛への伝言をおはるにたのみ、今日の早朝に、関谷村から田沼屋敷へ出むいて行ったそうな。
 おはるは、山芋のとろろ汁をつくって出した。
 炊きたての麦飯にとろろ汁をかけまわして食べるのは、若いころから小兵衛の大好物であった。
 大治郎も今朝は、このとろろ飯を食べて神田橋御門の老中・田沼主殿頭意次・上屋敷へ出かけたという。
 大治郎妻・三冬は、田沼老中の妾腹の子だけに、田沼老中は大治郎を実の子のようにおもい、一日置きに邸内の道場へ来て、田沼の家来たちに稽古をつける大治郎と、「今日は会えよう」おもってはいても、激務のために、なかなか会えぬとか……。
 いま、世上における田沼の人気は悪くなる一方であった。

【炊きたての麦飯にとろろ汁をかけたもの】
料理:田村隆
材料:二人分
【麦飯】麦(0,6合)米(1,4合)水(300cc)【とろろ汁】自然薯(150g)水(500㏄)煮干し(25g)信州味醂(30g)粉青海苔(適量)

煮干しは一晩水に漬けて置く。

自然薯は摺った時に不純物が混ざらないように丁寧に皮をむく。
すり鉢で優しく丁寧に芋を摺りおろす。

麦は熱湯に30分浸け柔らかくしてから米と一緒に炊く。

煮干しの入った鍋を火にかけ沸いたら火を止め味噌を加える。
味噌が溶きあがったら汁を脱脂綿で濾す。
濾し汁は一旦冷し、とろろと同じくらいの温度にする。
摺りおろした自然薯に濾した汁を少しずつ加えのばしていく。
出汁が全量無く成るまで少しずつ加えてのばす。

炊き上がった麦飯にとろろ汁をかけ、粉青海苔を散らす。

私感:と言いますが、麦飯などは刑務所の飯、今では刑務所でも出さないかも知れない。
十数年前に京都の麦とろ飯屋へメーリングリストのOFF会で行きました。
麦とろ飯は食う物の無い時代の食べ物だなぁ、と思ったのが私の感想でした。


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