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 鬼平犯科帳7 【盗賊婚礼】

 江戸で〔本格の盗め〕をする傘山の弥太郎に、尾張で〔畜生ばたらき〕をする鳴海の繁蔵から書状が届いた。
 繁蔵の妹お糸を嫁にしてくれと言うのだ。
 両盗賊のつなぎ役長嶋の久五郎は繁蔵の陰謀を知るが、弱みを握られ、弥太郎にこの企みを告げられずにいた。
 それで婚礼が決まってしまうのであった…。

 往還に面した駒込富士前町の家並みの中に、仙右衛門がいう「おもしろいところ」があった。
 それは〔瓢箪屋〕という料理屋で、風雅なわら屋根の、いかにも田舎ふうな店構えながら、中に入ると塵ひとつさえ嫌いぬいた、清げな座敷が四つほどあり、中庭から裏手にかけては、さわやかな竹林になっていた。
 「これはよい」平蔵は、たちまち気に入ってしまった。
 芹の味噌椀。
 わけぎと木くらげを白味噌で和えたものとか鱒の味醂漬を焼きあげて嫁菜をそえたものなど、別に凝ったではないが、それだけに念が入っていて、「これはよい、これはよい。このあたりに、このような店があるとは、実に知らなんだ」「お気に入りましたかね?」「いつから、このような?」「なんでも、ここへ店を出してから五年になるそうで。主人は六十がらみの、いたっておだやかな人柄でな。独りものだそうですよ」仙右衛門がいううちに、その主人の勘助が、あいさつにあらわれた。

【芹の味噌椀】
料理:野崎洋光
材料:二人分
芹(1束)昆布・鰹の出汁(300㏄)八丁味噌(25g)粉山椒(少々)

芹は根っこをたわしで丁寧に洗い、全体も洗う。
芹は均等に切り、寝っこと太い茎から先に出汁で煮る。
寝っこと茎が柔らかくなったら八丁味噌を溶かす。
芹の葉は火を止める直前に入れ、粉山椒を入れる。

【わけぎと木くらげの白味噌和え】
料理:野崎洋光
材料:二人分
わけぎ(4本)木くらげ(20g)白味噌(30g)酢(大さじ1)辛子(適量)

生の木くらげは手でちぎり、茹でる。
わけぎは根元から茹でる。(柔らかさを均等にする為)
茹でたわけぎは包丁の背でぬめりをとり3㎝くらいに切る。
西京味噌に一度沸騰させた酢を入れ混ぜ合わせ、練った辛子も入れて混ぜる。
わけぎと木くらげにまんべんなく混ぜ合わせる。

【鱒の味醂漬】
料理:野崎洋光
材料:二人分
鱒(2切れ)味醂(大さじ2)酒(大さじ2)醤油(大さじ2)嫁菜(60g)塩(適量)

鱒は塩をふり一時間置いて、経過したら水で洗う。
味醂、酒、醤油で漬けだれを作り、そこに鱒を一時間漬ける。
炭火でじっくり、じんわりと焼く。
嫁菜はたっぷりの塩を入れて茹であげる。
焼き上がった鱒に香りと苦みを味わってもらう為、嫁菜をそえる。

6:40 2014/06/23


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