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 吸い物の出し汁

 日本料理には味噌汁と並んで吸い物と言う汁物があります。
 先ず、最初にお店に行きましたら、お料理を注文する前に吸い物を頂けばそのお店の程度が判断できます。
 出汁と醤油や塩で味を調え、決まりは”椀種”つま”吸い口”で仕上げます。
 ”椀種”は魚介類や肉湯葉豆腐など多種、”つま”は色彩鮮やかな三つ葉、小松菜、葱や独活なと多種、”吸い口”には香りを出すもの、木の芽や七味唐辛子、山葵、柚子など多種。

 そこで一番気を使うのは出し汁です、昆布臭くては駄目、鰹節臭くては駄目なのです。
 使用する出し汁は所謂一番出汁を使います。

 お鍋に2リットルの水をいれ、ガスコンロを全開にして4分、指を入れると風呂の温度、少し熱いかな?と言う43度の少し上の50度で昆布60グラムを入れます。
 鍋の材質、厚み、火力でも異なり正確な時間は言えませんが昆布を入れてから6分程で昆布の表面、鍋の内面に水泡がブクブクと浮いてきます。
 沸騰する寸前、95度の頃合いで昆布を揚げ、即水を少量鍋に入れ沸騰を止め、火も落とします。
 この瞬間の捉え方が遅いと出し汁は”くどく”昆布臭くなります。
 薄く、長く、紙の様に削った削り節40グラムを既に用意し、沸騰をしずめた昆布出汁が75度から80度くらいの頃合いに入れます。
 しかしあまり温度を下げ過ぎると、鰹臭くなるおそれがあります。
 鰹節が鍋の底に沈んでいき、沸騰が始まろうとしている湯の勢いに押し上げられる前に”あく”を丁寧にとります。
 ”あく”をとってる間に、ぐぐっと沸き上がりますから火を止めます。
 
 後は別鍋に鰹節を濾します。

 二番出汁は、一番出汁の鰹と昆布を水から入れ沸騰しましたら終わりです。
 二番出汁は味噌汁や煮物用と思っております。

 吸い物の出し汁は目を離す事なく、真剣勝負と思って居りますが、お蕎麦やうどんの出し汁はここまで考えていません。(笑)

 【こんな事婆にすれ、なんて言えないですね】
 【暇出されちゃう】・・・??チーン
 
 


 味噌汁の出し汁

 最高の昆布と最高の鰹節を使えば、最良の出し汁をとる事が出来るのは当然の事です。
 しかし、最高の昆布といい、鰹節といい、かなりお値段がはります。
 そこで鰹節に代わるものとして鯖節や、鰯の煮干し等を使います。
 味も風味も、勿論鰹節に劣りますが、上手に調理する事で美味しい出し汁をとる事は可能です。

 花鰹といい、機械で削った削り節が販売されて居りますが、機械鉋の刃の損傷を考え、鰹節を蒸して柔らかくさせたり、花鰹用に乾燥させない柔らかい鰹節を作るなど、色々あるようです。
 もちろん、そんな花鰹が美味い訳有りません、上質の本枯れ節でも削って時間が経過しますと味は落ちます。
 スーパーなどの店頭に並んだ花鰹は言うに及ばない事は明らかです。
 花鰹を使うなら、むしろ煮干しの方が美味しい出し汁がとれます。
 煮干しとは、魚を煮沸して天日で干し、貯蔵に適する状態にしたものの総称です。
 ただし、脂肪の多い魚の煮干しは、油焼けと言う悪い現象もあります。
 水揚げしたての魚を煮干しにしたものは、色も美しく、形も壊れておりません。
 色も形も良い物を選ぶのが、美味しい煮干し出し汁をとる極意と言えましょう。


箱寿司

 箱寿司は関西特有のものと思っていますが、家庭でも押し箱が一つ有ればすぐに出来ますから、是非作って下さい。
 鯖、小鯛、鯵などを使い、昆布を使うのは日持ちよくしようと言う目的であって、これも箱寿司がなれ寿司であった頃の名残と言われています。
 しかし、箱寿司は以上の魚だけで作るものでは無く、焼いた卵、ちりめん、海苔だけでも作れますし、刺身の切り端や蛤、浅蜊などでも立派な箱寿司を作る事が出来ます。
 穴子や鰻の付焼きも箱寿司の好ましい材料です。
 こうした応用範囲の広さはお惣菜としては最高ですし、いかにも関西人の経済観念に脱帽します。
 寿司飯を押し箱に半分入れ、もみ海苔をふり込み、さらに寿司飯を入れ、その上に材料を並べ、押し出せば終わりと言う簡単な物です。
 ただ、技術を要する事と言えば、切り方です、寿司飯を強く押しておけば楽に切れますが、それでは食べ難いです。
 よく切れる包丁を濡れ布巾でしめらせ、向こう側から手前へ切り下げるような気で切ります。
 多くの方はこの時、押し切りをされると思いますが、前後に動かすようにして切って下さい。


【煮椎茸】
料理:坂西美津雄
材料:干し椎茸、砂糖、醤油、味醂、椎茸を戻す水

干し椎茸は一日水で戻す。
戻した椎茸は傘の根本から茎を切り、茎の石付きは取り除く。
鍋に椎茸の傘と茎をいれ戻し汁で丁寧にアクを取りながら1時間煮る。
戻し汁が途中無く成るようなら足す。
甘味を見ながら砂糖を加え、醤油も加える。
15~20分煮込み、最後に味醂を椎茸全体に当たるように回しかける。

タップリの水で干し椎茸を1日水で戻す。

戻した椎茸は傘の根本から茎を取り、茎の石付きは取り除く。

鍋に椎茸と茎を入れ戻し汁で一時間丁寧にアクを取りながら煮る。
一時間煮たら砂糖、醤油を入れ、さらに15~20分煮込む。
仕上げに、味醂を椎茸全体に当たるように回しかける。


 胡瓜の古漬けと検索したら驚いた!チンプンカンプンなレシピが氾濫していた。
 何で手間をかけて漬けるのか?それは昔旬(時季)にしか収穫できない夏野菜だから年中食べれる方法を考えた昔の人の知恵だ。

【胡瓜の古漬け】
料理;坂西美津雄
材料:漬ける胡瓜の量に応じて

 漬ける分量の胡瓜を1kとする。
 1kの胡瓜に対して、20%の塩を一本ずつ塩摺りをして漬け樽に並べ残った塩を乗せ、カップ2/1の水を振入れる。
  漬ける分量の倍の重石をして4日ほどすると水が上がってくる。
 漬けた胡瓜を笊に上げ水だけを銅鍋で沸騰させる、冷めたら元へ戻して、胡瓜を漬ける。
 4日程したら繰り返す。
  更に4日ほどしたら、漬け汁を銅鍋に沸騰させて、その中に胡瓜を潜らせる。
 更に4日程したら繰り返す。
 それを4回ほど繰り返す。

 真冬に塩抜きをして食べたり、味噌漬けにしたり色々。
 腐りやすい胡瓜を年中たべる、昔の人の知恵です。


日本料理、焼き物の塩
塩は調味の基本、その塩は古くから政治的、経済的に重要な位置を占めていました。
塩を扱う者は大きな富を得、中国では皇帝支配の財源基盤に成ったとも言われる。
そんな専売塩も昭和60年、日本専売公社が民営化(日本たばこ産業に移行)することになり、塩の販売も専売制から徐々に自由に販売できるように成りました。
1997年(平成9年)4月に塩の販売は完全に自由化さました。

その塩の使い方ですが、あて塩、べた塩、ふり塩と大まかに分類されます。
塩をふる目的は、水分の多いものから水を抜き貯蔵する為、魚肉を引き締めようとする為の塩。
魚の鮮度が悪くて、腐敗と貯蔵に重点を置くときは大目に、鮮度が良くて美味を目的にする場合は少な目に、魚や肉の大きさに合致する適量を考慮します。


 薄焼き卵

 卵はよく溶いて、淡口醤油で味付けをして網で濾します。
 卵焼き器を火にかけ、少し温まったら、脱脂綿に油を含ませ、隅々全体に油を引きます。
 油はできる限り少なくしないと、油臭い薄焼きになります。
 油を引き長く火のうえに卵焼き器をのせておくと、卵が焦げてしまいます。
 油を引き終わったら、火から下ろし卵がジューと音を立てない温度の処へ、少量の卵を流し込み、全面に流れ渡るようにします。
 火力は中火で卵焼き器全体にあたるのが理想です。
 とにかく薄焼き卵ですから卵焼き器全体を前後に動かせば上手に広がります。
 薄焼き卵は、焼くと言いますが、焼き目や焦げ目は厳禁です。
 錦糸卵にするにも、結び卵にするにも、焦げ目があっては綺麗でありません。
 要するに、卵焼き器に卵を入れる時の温度に注意が必要です。
 卵を流し込むと、直ぐに固まり、液状でなくなりますから、卵焼き器の手前を箸で掘り起し、左の指でつまみ上げ、箸を直角に差し込み、卵焼き器を手前より向こう側を起こし卵を返します。
 裏側はお義理で焼く程度ですから、返すと同時に終わりです。
 再度箸を差し込んで、広げたままの薄焼き卵を他の器に移します。


 海魚を大別すると上層魚と海底に棲む魚(カレイ・ヒラメ)などと中層魚、深海魚など様々です。
 上層魚の背の青さは保護色で敵の襲撃に対して、空からは海水に似せ、背が青く、海中からは猛魚に対して腹は白色(太陽をうけた水面)に似せています。
 上層魚は海水の圧力を受けず、身が引き締まっていません。
 ところが、背の青い魚は脂肪が多く、漁獲量も多い為値段も安いですが、海から揚がると傷みが早いです。
 アジ、サバ、イワシなどは馴染みですが、どれも惣菜には向いていると思います。
 ですが、意外とその美味は軽んぜられています。
 取扱いも粗雑なので本当の美味さも忘れらがちです。
 背の青い魚は入手したら直ぐ塩をするなり、幽庵の汁に浸けるなどして腐敗の進むのを止めなければなりません。

 画像は〆鯖を作る為の塩漬けです。
6:12 2014/09/03


 料理昔ばなし
 再現!江戸時代のレシピ

 奈良時代の仏教による肉食禁止令以来、永い間この国では卵を食べる事が禁じられてきた。
 鶴や鴨や雉等、野鳥を食べる事は許されたのに何故か鶏とその卵だけは獣の肉とともに禁じられたのです。
 鶏は時を告げる鳥、神の使いとされてきたせいかも知れまん。
 しかし、そのタブーを室町時代後期にやって来たポルトガル人達によって破られます。
 彼らが教えてくれたカステラやボーロ等には卵が使われていたのです。
 しかも、それが上等の味。
 江戸時代になると三代将軍家光が後水尾天皇を二条城に招いた際の献立に卵料理が出るなど、卵はほぼ解禁状態となります。
 卵は人々のご馳走となり江戸中期には万宝料理秘密箱(卵百珍)天明5年(1785)と言う専門書まで出版されました。
 今でもたまたま話題になる黄身返しなどもそこに載っていました。
 親子丼や茶碗蒸し等も食べられるように成ったのは江戸時代でした。
 とはいえ、本当の意味で卵が庶民の身近な食物に成ったのは鶏卵問屋や茹で卵売りが登場する幕末の事。
 それまで卵と言えば滋養豊富な高級食材、ここ一番の時か病気に成った時くらいしか、中々食べる事は出来ませんでした。

【卵ふわふわ】
材料:三人分
卵(3個)出汁(卵と同分量)醤油(適量)塩(適量)酒(少々)胡椒(少々)

先ず、小さめの鍋にすまし汁より少し濃い目の出汁を入れ火にかける。
出汁が沸く迄の間、卵を思いっ切り溶く、必死で溶く、頑張って溶く、泡立つまで必死で溶く。
泡立った卵を鍋に一気に注ぎ入れ、胡椒をちらし入れ蓋をする。
で、ゆっくり百ほどを数える。
焦ってはいけません。

♨♪~♨♬チーン


 枝豆の茹で方

 1、余裕の有る鍋に水を入れ火を点ける。
 2、塩でモミ洗いをして水で洗う。
 3、少し多めに塩を揉み込み湯が沸騰するまで待つ。
 4、沸騰したら鍋に少し塩を入れ豆を放つ。
 5、湯でながら味をみて好みの固さでザルに揚げる。
 6、ザルに塩を振りまき、素早くザル全体を振る。
 7、扇風機かクーラーにあてて冷ます(色よくする為)
 
 冷凍保存するなら氷水を用意し、固めに茹で、7を省き一気に冷水に入れ冷まし冷凍する。
 その作業をする事で、色合いが保たれる。

 豆の美味しい時期
 1、収穫日に茹でて食べる(最高)
 2、収穫日の翌日(少し味落ち)
 3、収穫日の翌々日(なお味が落ちる)
 4、収穫日のその又翌日、東京辺りでは要約消費者に届く
 (私なら4は食べません)

 客に提供する場合、味が少し落ちても色合いは大事です。
 変色した枝豆はお客様に提供できません。

 枝豆の色よい茹で方は私の料理ブログを


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