若い時は運動も激しく、食欲も旺盛で脂肪分、糖分、塩分などを体が要求しました。
ですが中年期や老年期とは異なった味で有ったと思っております。
強い味が他の味より美味いと思わぬ年齢も有るようです。
忙しさの余り食事の支度時間短縮のため、人工調味料を使う事が多くなると思います。
その方にとって、人工調味料は便利この上ないものと思います。
昆布と鰹節で出汁をとり、味を調え人工調味料を入れるといった料理感覚は、考える事が出来ません。
折角とった出汁に、人工調味料を入れると、強い人工調味料の味が主役にとって替わります。
その強い味と、天然素材の味を比較してみる必要が有るのではないでしょうか。
天然素材の味と、人工調味料を使ったお料理は、不経済だけでなく、あくどい味となり味覚に残る事でしょう。
そのような調理をなさる方は、むしろ人工調味料だけをお使いになられったほうが良いと思います。
人工的な味は、後を引く味で、中毒症状が舌に染み込み、どんなお料理も抜きで居られなくなります。
日本古来のお料理は、その素材の持つ味の追求だと思っていますので、人工調味料は宿敵のようなものです。
鰹節と昆布でとった出汁や、鶏がらや豚骨でとった純粋なスープ、そこへわざわざ人工調味料を入れるなど愚の骨頂です。
天然素材でとった出汁やスープを召し上がり、物足りなさを感じるようでしたら、人工調味料中毒だと思って良いでしょう。
町には不思議な光景をみます、真面目に作るお料理店には客が少なく、何を食べても味が同じファミレスには行列が。
あぁぁ嫌だ嫌だ・・・♨♬チーン
しんじょう【真薯】【糝薯】【真蒸】【真丈】と書くそうですが、私は【真蒸】が好きです。
この時季、北海道積丹の美味しい鮑を思い出します。
積丹の鮑は小ぶりですが、餌が良いのでしょうか?香りも味も抜群、その鮑を使い鮑真蒸を作ってみましょう。
あわび真蒸の吸い物
料理;坂西美津雄
材料:4人分
積丹の鮑4個、つくね芋(鮑の二割)卵白(全量の一割)塩(適量)一番出汁(お椀4杯分)二番出汁(適量)薄口醤油(少々)三つ葉(全草12本)おろし山葵(適量)
鮑は殻から外して肝を取り、身には塩を付けてたわしでで洗う。
肝は二番出汁で茹でる。
身は銅のおろし金、荒目の方ですりおろし、汁ごと持ち得る。
つくね芋も荒目ですりおろし、全てすり鉢に入れ、卵白もいれすり合わせる。
塩を少々いれ味を調える。
卵豆腐器に全量流し込み、下茹でした肝は刻んで上に押しあてる、見た目綺麗な状態に。
市販の蒸鍋は湯に皿が近く、蒸気が直接当ろのを防ぎ、皿を上部にやり、布巾をして蒸気が直接当たらないようにする。
弱火で、ゆっくり20分ほど蒸す。
三つ葉は全草、塩を入れた湯に茹でて、冷水に浸す。
三つ葉は茎だけを10センチ程に束ね、4等分にする。
吸い物汁は一番出汁に塩、薄口醤油で味を調える。
蒸あがったあわび真蒸を4等分に切り、椀に盛り、つまの三つ葉を乗せ、吸い口におろし山葵を添える。
椀種 ;あわび真蒸
つま :三つ葉の茎
吸い口:おろし山葵
出し汁色々
出し汁は昆布魚介だけでは無く色々有ります。
1、鰹節
2、煮干し
3、昆布
4、野菜
5、鳥の骨
6、魚の骨
7、豚の骨
8、牛の骨
9、牛乳
10、その他諸々
和食、洋食を問わず使い方も様々。
牛乳は?と思われる方に、是非味噌汁を。
栄養豊富で、しかも美味しい味噌汁の作り方です。
牛乳1を2の水で薄め、これに味噌を溶かします。
牛乳は脱臭の働きを持っていますので個性味の強い赤味噌が適しているでしょう。
一旦ゆがいて柔らかくした馬鈴薯の大きい角切を、良質の油でさっと揚げて、熱湯をくぐらせ油抜きをしたものに、刻み葱をそえ、吸口に胡椒を。
刻み葱の代わりに、ベーコンの薄く細く切ったものをフライパンでカリカリに焼いたものもいいでしょうね。
味噌汁の嫌いな子供、洋風の味を好む若い方には向きませんかね。
吸い物の出し汁
日本料理には味噌汁と並んで吸い物と言う汁物があります。
先ず、最初にお店に行きましたら、お料理を注文する前に吸い物を頂けばそのお店の程度が判断できます。
出汁と醤油や塩で味を調え、決まりは”椀種”つま”吸い口”で仕上げます。
”椀種”は魚介類や肉湯葉豆腐など多種、”つま”は色彩鮮やかな三つ葉、小松菜、葱や独活なと多種、”吸い口”には香りを出すもの、木の芽や七味唐辛子、山葵、柚子など多種。
そこで一番気を使うのは出し汁です、昆布臭くては駄目、鰹節臭くては駄目なのです。
使用する出し汁は所謂一番出汁を使います。
お鍋に2リットルの水をいれ、ガスコンロを全開にして4分、指を入れると風呂の温度、少し熱いかな?と言う43度の少し上の50度で昆布60グラムを入れます。
鍋の材質、厚み、火力でも異なり正確な時間は言えませんが昆布を入れてから6分程で昆布の表面、鍋の内面に水泡がブクブクと浮いてきます。
沸騰する寸前、95度の頃合いで昆布を揚げ、即水を少量鍋に入れ沸騰を止め、火も落とします。
この瞬間の捉え方が遅いと出し汁は”くどく”昆布臭くなります。
薄く、長く、紙の様に削った削り節40グラムを既に用意し、沸騰をしずめた昆布出汁が75度から80度くらいの頃合いに入れます。
しかしあまり温度を下げ過ぎると、鰹臭くなるおそれがあります。
鰹節が鍋の底に沈んでいき、沸騰が始まろうとしている湯の勢いに押し上げられる前に”あく”を丁寧にとります。
”あく”をとってる間に、ぐぐっと沸き上がりますから火を止めます。
後は別鍋に鰹節を濾します。
二番出汁は、一番出汁の鰹と昆布を水から入れ沸騰しましたら終わりです。
二番出汁は味噌汁や煮物用と思っております。
吸い物の出し汁は目を離す事なく、真剣勝負と思って居りますが、お蕎麦やうどんの出し汁はここまで考えていません。(笑)
【こんな事婆にすれ、なんて言えないですね】
【暇出されちゃう】・・・??チーン
味噌汁の出し汁
最高の昆布と最高の鰹節を使えば、最良の出し汁をとる事が出来るのは当然の事です。
しかし、最高の昆布といい、鰹節といい、かなりお値段がはります。
そこで鰹節に代わるものとして鯖節や、鰯の煮干し等を使います。
味も風味も、勿論鰹節に劣りますが、上手に調理する事で美味しい出し汁をとる事は可能です。
花鰹といい、機械で削った削り節が販売されて居りますが、機械鉋の刃の損傷を考え、鰹節を蒸して柔らかくさせたり、花鰹用に乾燥させない柔らかい鰹節を作るなど、色々あるようです。
もちろん、そんな花鰹が美味い訳有りません、上質の本枯れ節でも削って時間が経過しますと味は落ちます。
スーパーなどの店頭に並んだ花鰹は言うに及ばない事は明らかです。
花鰹を使うなら、むしろ煮干しの方が美味しい出し汁がとれます。
煮干しとは、魚を煮沸して天日で干し、貯蔵に適する状態にしたものの総称です。
ただし、脂肪の多い魚の煮干しは、油焼けと言う悪い現象もあります。
水揚げしたての魚を煮干しにしたものは、色も美しく、形も壊れておりません。
色も形も良い物を選ぶのが、美味しい煮干し出し汁をとる極意と言えましょう。
箱寿司
箱寿司は関西特有のものと思っていますが、家庭でも押し箱が一つ有ればすぐに出来ますから、是非作って下さい。
鯖、小鯛、鯵などを使い、昆布を使うのは日持ちよくしようと言う目的であって、これも箱寿司がなれ寿司であった頃の名残と言われています。
しかし、箱寿司は以上の魚だけで作るものでは無く、焼いた卵、ちりめん、海苔だけでも作れますし、刺身の切り端や蛤、浅蜊などでも立派な箱寿司を作る事が出来ます。
穴子や鰻の付焼きも箱寿司の好ましい材料です。
こうした応用範囲の広さはお惣菜としては最高ですし、いかにも関西人の経済観念に脱帽します。
寿司飯を押し箱に半分入れ、もみ海苔をふり込み、さらに寿司飯を入れ、その上に材料を並べ、押し出せば終わりと言う簡単な物です。
ただ、技術を要する事と言えば、切り方です、寿司飯を強く押しておけば楽に切れますが、それでは食べ難いです。
よく切れる包丁を濡れ布巾でしめらせ、向こう側から手前へ切り下げるような気で切ります。
多くの方はこの時、押し切りをされると思いますが、前後に動かすようにして切って下さい。
胡瓜の古漬けと検索したら驚いた!チンプンカンプンなレシピが氾濫していた。
何で手間をかけて漬けるのか?それは昔旬(時季)にしか収穫できない夏野菜だから年中食べれる方法を考えた昔の人の知恵だ。
【胡瓜の古漬け】
料理;坂西美津雄
材料:漬ける胡瓜の量に応じて
漬ける分量の胡瓜を1kとする。
1kの胡瓜に対して、20%の塩を一本ずつ塩摺りをして漬け樽に並べ残った塩を乗せ、カップ2/1の水を振入れる。
漬ける分量の倍の重石をして4日ほどすると水が上がってくる。
漬けた胡瓜を笊に上げ水だけを銅鍋で沸騰させる、冷めたら元へ戻して、胡瓜を漬ける。
4日程したら繰り返す。
更に4日ほどしたら、漬け汁を銅鍋に沸騰させて、その中に胡瓜を潜らせる。
更に4日程したら繰り返す。
それを4回ほど繰り返す。
真冬に塩抜きをして食べたり、味噌漬けにしたり色々。
腐りやすい胡瓜を年中たべる、昔の人の知恵です。
日本料理、焼き物の塩
塩は調味の基本、その塩は古くから政治的、経済的に重要な位置を占めていました。
塩を扱う者は大きな富を得、中国では皇帝支配の財源基盤に成ったとも言われる。
そんな専売塩も昭和60年、日本専売公社が民営化(日本たばこ産業に移行)することになり、塩の販売も専売制から徐々に自由に販売できるように成りました。
1997年(平成9年)4月に塩の販売は完全に自由化さました。
その塩の使い方ですが、あて塩、べた塩、ふり塩と大まかに分類されます。
塩をふる目的は、水分の多いものから水を抜き貯蔵する為、魚肉を引き締めようとする為の塩。
魚の鮮度が悪くて、腐敗と貯蔵に重点を置くときは大目に、鮮度が良くて美味を目的にする場合は少な目に、魚や肉の大きさに合致する適量を考慮します。
卵はよく溶いて、淡口醤油で味付けをして網で濾します。
卵焼き器を火にかけ、少し温まったら、脱脂綿に油を含ませ、隅々全体に油を引きます。
油はできる限り少なくしないと、油臭い薄焼きになります。
油を引き長く火のうえに卵焼き器をのせておくと、卵が焦げてしまいます。
油を引き終わったら、火から下ろし卵がジューと音を立てない温度の処へ、少量の卵を流し込み、全面に流れ渡るようにします。
火力は中火で卵焼き器全体にあたるのが理想です。
とにかく薄焼き卵ですから卵焼き器全体を前後に動かせば上手に広がります。
薄焼き卵は、焼くと言いますが、焼き目や焦げ目は厳禁です。
錦糸卵にするにも、結び卵にするにも、焦げ目があっては綺麗でありません。
要するに、卵焼き器に卵を入れる時の温度に注意が必要です。
卵を流し込むと、直ぐに固まり、液状でなくなりますから、卵焼き器の手前を箸で掘り起し、左の指でつまみ上げ、箸を直角に差し込み、卵焼き器を手前より向こう側を起こし卵を返します。
裏側はお義理で焼く程度ですから、返すと同時に終わりです。
再度箸を差し込んで、広げたままの薄焼き卵を他の器に移します。