剣客商売四 天魔「老僧狂乱」
秋山大治郎は、昔世話になった僧侶が大川に身を投げる場に出くわし、助けた。
金百両を盗み取られた故の身投げ。
話を聞いた小兵衛は、金を工面し僧侶に渡した。
しかし裏では、四谷の弥七が僧侶を見張った。
案の定、僧侶は翌朝、姿をくらませた。
そこへ、お春が酒の支度をしてあらわれた。
鉄鍋で煎りつけた鴨の肉に、芹をあしらったものが運ばれた。
「さ、熱いうちにやれ」「いただきます……」「あ、これは……」「どうじゃ、うまいだろう?」「はい」「あとで、お
はるが得意の鴨飯をつくるぞ」それに、熱湯へ潜らせた芹に淡塩をあてて、軽く圧した漬物も出た。
「ようやくに、腹の虫が、おさまったわえ」
【鴨鍋】
料理:田村隆
材料:二人分
鴨肉(400g)芹(2束)醤油(大匙2,5)砂糖(大匙2)酒(大匙2)
芹は5㎝の長さに切り、根の部分は捨てずに水に浸しておく。
鴨肉は余分な脂身・皮・すじなどをとり除く。
皮に包丁目を入れ、目を横にして一口大に切り、油を引いた鉄鍋で炒り付ける。
芹は固い根の部分から鍋に入れ、砂糖と醤油で甘辛く味を付ける。
さらに酒を加え円やかに、煮上がったら芹を入れ、煮ながら頂く。
【鴨飯】
料理:田村隆
材料:二人分
取り除いた鴨、長ネギ1本、ご飯茶わん二杯
鴨は細かく切り、長ネギは縦に割り、1㎝に幅に切る。
食べ終わった鴨鍋の中に細かく切った鴨、葱、ご飯を入れ焼き飯の要領で炒める。
【芹の漬物】
料理:田村隆
材料:芹の葉の部分と塩
芹の葉の部分は塩を入れた湯にくぐらせ、塩で揉む。