夕飯どきの少し前の、空いている時間に二階にあがり、先ず帆立貝のコキールか何かで、日本酒をのんでいると、亡くなった先代が調理場からあらわれて、「や、いらっしゃい。後で薄いカツレツめしあがりますか?」と、声をかけてくるような気がする。
 この店の洋食はワインなぞではなく、日本酒でやるのが、もっとも私には良い。
 上等の豚ロースを薄めに切ってもらい、コンガリと揚がったカツレツの旨さ。
 神経をつかって焼きあげたポークソテーの舌ざわり。
 ベーコンの厚切りを乗せたビーフステーキも、日本酒と御飯に似合う。
 階下の食堂は二階より安直に食べられるが、たとえば二階にあがっても、カレーライスをたのむとき、私は階下の安いほうにしてもらう。
 そのほうが、なんだか、むかしの味がするからだ。
 「たいめいけん」の洋食には、よき時代の東京の、ゆたかな生活が温存されている。

「むかしの味」池波正太郎(新潮文庫)

「たいめいけん」東京都中央区日本橋1-12-10
昭和6年(1931)創業
池波正太郎がよく訪れていた洋食屋「二階建」

料理:坂西美津雄
【芋茎の酢の物】

大き目の鍋に湯が沸騰したら一握りの塩を入れて芋茎をさっと茹でる。
茹であがった芋茎は冷水にさらし笊に上げる、芋茎は皮を剥いて好みの大きさに切る。
好みの味で甘酢を作り漬けこみ冷蔵庫で保存、翌日からお召し上がりいただけます。


 この時季寺泊では大き目の烏賊が一箱(10ぱい)ほど入り安く買えます。
 日本海には烏賊釣り船の漁火がポツポツと、烏賊の旬ですね(*^-^*)
 烏賊と言えば塩辛、私は皮は剥きません、烏賊の塩辛本漬けは皮付が最高、味醂、酒なども不要、塩のみで作ります。

 烏賊は腸を抜きます、その烏賊の耳を外し、包丁で開きます。
 腸は墨を取り除き、足から切り離します。
 腸、耳、身、足に塩をして風通しの良い処で干すのですがこの時季冷蔵庫でも良いでしょう、一晩置きます。
 塩など洗う必要有りませんが腸は薄皮から外し包丁で叩き潰します。
 耳、身、足は好みの大きさに切ります。

 容器は熱湯消毒をした蓋付を使います。
 腸と身総てを混ぜ合わせ、冷蔵庫で保管します。
 日に一回は清潔な箸で上下混ぜて下さい。
 一週間ほどで食べごろです。

 画像は野積浜から見た日本海の漁火です。


 この日の島田九兵衛は、妙に寂しげであった。
 そして、九兵衛にしてはめずらしく、夜に入っても帰ろうとはせず、二歳になった菊をあやしたり、雪丸と世間ばなしに興じたりした。
 さとは、夕餉の仕度にかかった。
 「なにもございませぬが、めしあがって下さいませ」さとがすすめると、九兵衛は大いによろこび、「ありがたく、馳走にあずかりましょう」と、こたえた。
 これは、かつてなかったことだ。
 さとは先ず、笊の上へ茹でた衣被を出した。
 衣被で酒をのむうち、芋茎の汁が出た。
 「うまい。これは、うまい」九兵衛は、舌つづみを打って、汁のおかわりをした。
 そのうちに、月がのぼった。

【衣被】
料理:野崎洋光
材料:二人分
里芋 小(10個)胡麻塩(適量)昆布(15㎝角1枚)

里芋の根の部分を切落とす、皮の中央部分に切れ目を入れる。
水洗いして汚れを取り除く、水洗いした芋は根の切れ目の部分を下にして30分ほど昆布にのせる。
温まった蒸し器に入れて12程蒸かす、竹串を刺して刺されば蒸しあがり。
熱いうちに切れ目を入れた上の皮をむく、そのむいた処へ胡麻塩を付ける。

【芋茎汁】
料理:野崎洋光
材料:二人分
芋茎(2本)わけぎ(1本)薄口醤油(15㏄)酒(15㏄)
塩(2g)煮干し(5本)昆布(4㎝角1枚)水(400㏄)

芋茎を縦4等分横4㎝に切る。
1%の塩水(100㏄)に大根おろし(100㏄)を加える、それを網で漉す、その汁の方を使う。
その汁に芋茎を漬け1時間ほど灰汁を抜く。
灰汁を抜いた芋茎を笊に上げ水気を切、酢を入れたお湯で芋茎を下茹でする。
(酢を入れる事で色の変わりを防ぐ)
かるく茹でたら水に浸す、それを手で絞って酢の味を抜く。
頭、内臓を取り除いた煮干しと昆布を鍋に入れる(水400㏄)芋茎を入れて火にかける。
沸騰したら酒、薄口醤油で味を付、そこへわけぎを加え一煮立ちさせる。


 雑炊を辞典で引くと“米飯に、野菜、魚貝、肉などを入れ、塩、醤油、味噌などで調味してさらりと煮たもの。
雑炊は当て字で、古くは多く「増水」と書いた”と、あります。

 増水(ぞうすい)とは節米の為、水を割り増したからだろうか?また、雑炊はおじやとも言い、おじやは御所の女房言葉であると何かの本で読んだ記憶があります。
 のびたおじやのエッササとも言い、のびたおじや(雑炊)は不味くて食べれたものではない。
 私もその意見には賛成です。
 私自身雑炊は節米は兎も角、冷めたご飯を暖かく美味しく食べる食べ方でもあったのではないかと思います。
 今は亡き私の友人で、集団就職で我が町に来て、住込みで勤め朝飯は毎日、前夕飯の残った味噌汁で作った雑炊だったと。
 それもその筈、当時、保温器も電気炊飯器なども無かった時代の事。
 
 そこで雑炊を作るポイントですが。
  1、鍋は保温力のない土鍋以外(鉄鍋類)を使う。
 2、ご飯は水で洗う。

料理:坂西美津雄
玉子雑炊
材料:一人分
鶏卵(1個)三つ葉(3本)味噌(適量)鰹出汁(適量)ご飯(茶碗1杯)
一人用の鉄鍋に出汁を入れ味噌で味をととのえる。
沸騰したら水で洗ったご飯を入れる。
さらに沸騰したら卵を入れ、再度沸騰したら三つ葉を入れ蓋をする。
卵は生の状態でかき混ぜて食べる。

納豆雑炊
材料:一人分
納豆(盃に2杯)長葱(少々)味噌(適量)鰹出汁(適量)ご飯(茶碗1杯)
一人用の鉄鍋に出汁を入れ味噌で味をととのえる。
刻んだ納豆を入れ沸騰したら水で洗ったご飯を入れる。
再度沸騰したら刻み長葱を入れる。

なめこ雑炊
材料;一人分
なめこ(好みで適量)三つ葉(3本)味噌(適量)鰹出汁(適量)ご飯(茶碗1杯)
一人用の鉄鍋に出汁を入れ味噌で味をととのえる。
沸騰したら水で洗ったご飯を入れなめこを上にのせるる。
再度沸騰したら三つ葉を入れる。

もぞく雑炊
材料:一人分
もぞく(好みで適量)生姜(千切少々)三つ葉(3本)味噌(適量)鰹出汁(適量)ご飯(茶碗1杯)
一人用の鉄鍋に出汁を入れ味噌で味をととのへ5㎝ほどに切ったもぞくを入れるる。
沸騰したら水で洗ったご飯を入れる。
再度沸騰したら三つ葉と千切生姜を入れる。

鯨雑炊
材料:一人分
鯨肉(短冊切で好み適量)十全茄子(4/1個)三つ葉(3本)味噌(適量)鰹出汁(適量)ご飯(茶碗1杯)
一人用の鉄鍋に出汁と短冊に切った鯨肉を入れる。
沸騰したら味噌で味をととのへ、水で洗ったご飯と茄子を入れる。
再度沸騰したら三つ葉を入れる。

牡蠣雑炊
材料:一人分
牡蠣(大粒3個)白髪葱(適量)おろし生姜(少々)味噌(適量)昆布出汁(適量)ご飯(茶碗1杯)
一人用の鉄鍋に出汁が沸騰したら牡蠣を入れ素早くあげる。
その汁を味噌で味をととのえる。
水で洗ったご飯を入れ、沸騰したら、牡蠣、千きりの葱、おろし生姜を入れる。
(牡蠣は鮮度が重要)


お袋に教わった事は鍋にご飯を入て、水もたっぷり入れて、茄子漬けも放り込み手で食べる。
これには変わった感覚で食べれたものでした。

夏には冷たい素麺、うどん、蕎麦、或いは冷たい素麺に暖かい汁、具には豚の三枚肉と茄子を入れて、それを素麺にかけて頂く。

じゃぁ簡単に蕎麦、うどん、素麺の汁を作るにはどうしたらよいか?かえしを作ろう。

以下はあくまでも私の作り方です、他のレシピ本とは違うかもしれませんので念の為。

料理:坂西美津雄

かえしをつくる

蕎麦は“つゆ”の味に決め手があります。その“つゆ”は“かえし”が基本と言っても過言ではないと思います。
“かえし”は各店ごとに違いますが、私の“かえし”です。

材料 濃口醤油1.8L・味醂0.5L・砂糖500G
1.鍋に醤油を入れ5分加熱する。加熱した醤油に砂糖を入れ、火を弱め砂糖が溶ける様にかき混ぜる。
2.味醂を入れ、火を強める。
3.表面にアクが浮いたら取り、自然に冷ます。
4.冷めた“かえし”は更に一週間寝かせる。

出来上がったかえしは冷蔵庫で長期保存が可能です。

蕎麦の汁
蕎麦とうどんには大まかに二種類の汁がある。
一つはかける汁、かけ汁、是は言葉の通、蕎麦にかけていただきます、暖かい蕎麦、天麩羅蕎麦、山菜蕎麦、おかめ蕎麦、諸々です。
もう一つの汁はつける汁、つけ汁、是も言葉の通、蕎麦につけて食べる汁です、ざる蕎麦等に。
この二つの汁を作るには“かえし”を使います。“かえし”と“出汁”の組み合わせで作ります。
分量は個々の好みです、甘味も個々の好みです、塩ぽさも個々の好みです。
塩気が足りないなら”かえし”を足し、しょっぱい様なら出汁を足してご加減ください。


 10数年前に信濃川で獲れた野鯉です。
 皆様、この天の恵みを将来の子供達に残してやろうと言う気持ちは御座いませんか?
 信濃川河口の汚泥には放射能物質が検知された、泉田知事も心有る新潟県民は激怒しています。
 この現実をうわの空で原発を海外にセールスすると言う人の人格を理解できません。

 暗黒街に君臨するファミリー企業、東電は全国に巻き散らかした放射能を引き取れ!!
 原発を推進する奴は事故責任を明確にすれ!!


 いつの世に誰が言ったか”まな板の鯉”何故こんな嘘を言ったんだろう。
 鯉は暴れて危険、頭を叩いてしめます。
 えらから3センチほどの処に苦玉が有り、これを潰したら苦くて食えないので気を付けて腹を開く。
 頭を落とし、三枚に開き、皮を引く。
 開いた身は少し厚めにそぎ切に。
 切ったら60度程の湯で身を洗う、少し色が変わったかな、と思う程度。
 素早く冷水(氷水)で洗う、鯉の洗いの出来上がり。
 辛子酢味噌で頂く。


 鯵の干物
 鯵は開きエラを外す、海水程の塩水を作り開いた鯵を入れて丁寧に汚れ(血や血合い)等を洗う。
 新に水400㏄に 塩15gと昆布を入れる、そこに鯵を漬ける。
 漬ける時間は3時間。
 水から上げた鯵は水分を拭き取り、笊に揚げ風通しの良い処で一晩干す。

 この時季、鯵が安いので書いてみました。


 箸作りの治具を以下のように改良しました。

 改良点は画像の中の小さいコマを作り両側から削る事が出来る事です。
 その為鉋の裏刃を調整出来なくても逆目を反対方向から純目に削る事ができます。

 箸材は約11mm角×235mmと大人サイズで作ってあります。
 何故11mmと・太いのではとお思いの方が居られると思いますが、これは日本古来の道具鉋で削る楽しみを是非味わって頂きたいと言う思いからです。

 治具は1番と2番が有ります。材料の四角を上から時計周りの1~4として治具1番で1~2を治具2番で3~4を削ります。

 溝の太い方が治具1番です。

 時計周りで1~2を削りました。

 この小さいコマを下の画像のように使い材料の逆目を反対方向から純目に削ります。

 純目に以下のように削る。(裏刃の調整が出来る方には必要有りません)

 1番で1~2を削った状態。

 溝の細いほうの治具2番です。

 治具2番で3~4を削ります。

 3~4を削った状態です。
 
 好みの形に面を削ります。
 
 箸先も好みの状態まで削ります。

 以下大よそ出来上がりました。

 あとは好みでノミやサンドペーパーでお好きなように形を整えて下さい。

 


無罪判決の際、小沢一郎の支持者の視点についての短いドキュメンタリー


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