» 2013 » 7月 » 17のブログ記事

 お茶を飲んだり昼飯を一人で食べたりするときに、店の人が自分の言動や態度をどう見るか、隣り合わせた人が自分をどう見るか、必ず何らかの反応が相手に表われるから、それを絶えず感じ取る、その訓練が勘をよくするし、気ばたらきをよくするんだよ。
 結局、気ばたらきというのは「相手の立場に立って自分を見つめること」です。
「新 私の歳月」池波正太郎(講談社文庫)

【車麩の煮物】
料理:坂西美津雄
材料:二人分
車麩(2枚)厚揚げ(1枚)干し椎茸(2個)茄子小(2個)水(100㏄)
鰹出汁(200㏄)醤油(大さじ2)塩(適量)味醂(大匙3)砂糖(小さじ1)

車麩は水に入れ2時間ほど戻し、干し椎茸は100㏄の水に入れ戻す。
戻した車麩は水気を絞りは四等分に切り、椎茸はいしずきを取り除く。
茄子は蔕を切下から中央まで十字に切れ目を入れ、厚揚げは四等分に切る。
出汁に椎茸の戻し汁を加え、材料を入れ煮る、調味料を入れ味を整える。

車麩は新潟の名産です、夏場は少し多めに作り冷蔵庫で冷やした物も美味しいです。
又、味噌汁にも最高、味噌汁は煮干し出汁が私は好きです。


 夕飯どきの少し前の、空いている時間に二階にあがり、先ず帆立貝のコキールか何かで、日本酒をのんでいると、亡くなった先代が調理場からあらわれて、「や、いらっしゃい。後で薄いカツレツめしあがりますか?」と、声をかけてくるような気がする。
 この店の洋食はワインなぞではなく、日本酒でやるのが、もっとも私には良い。
 上等の豚ロースを薄めに切ってもらい、コンガリと揚がったカツレツの旨さ。
 神経をつかって焼きあげたポークソテーの舌ざわり。
 ベーコンの厚切りを乗せたビーフステーキも、日本酒と御飯に似合う。
 階下の食堂は二階より安直に食べられるが、たとえば二階にあがっても、カレーライスをたのむとき、私は階下の安いほうにしてもらう。
 そのほうが、なんだか、むかしの味がするからだ。
 「たいめいけん」の洋食には、よき時代の東京の、ゆたかな生活が温存されている。

「むかしの味」池波正太郎(新潮文庫)

「たいめいけん」東京都中央区日本橋1-12-10
昭和6年(1931)創業
池波正太郎がよく訪れていた洋食屋「二階建」

料理:坂西美津雄
【芋茎の酢の物】

大き目の鍋に湯が沸騰したら一握りの塩を入れて芋茎をさっと茹でる。
茹であがった芋茎は冷水にさらし笊に上げる、芋茎は皮を剥いて好みの大きさに切る。
好みの味で甘酢を作り漬けこみ冷蔵庫で保存、翌日からお召し上がりいただけます。


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